ONTOMO MOOK stereo編
書き直し中(2025年の夏頃までに改訂予定)
音楽之友社は、stereo誌のオーディオ機器関連企画としてスピーカーのユニットとエンクロージャー工作キットの2種類を主にONTOMO MOOKというムック本として販売していた。2010年代のオーディオ自作ブームに乗って人気を博しており、ムック本とは別に、ontomo-shopにてユニットやエンクロージャの再販や企画品の販売がされている。
2023年の付録ユニットと姉妹製品
2023年のONTOMO Mook付録ユニットは、Wavecor FR085CU03。年が改まる直前の12月に販売された。価格は、円安の影響もあり、これまでの最高額の9,900円。そのため、エンクロージャ・キットはムック本ではなく、ONTOMO Shopで販売されることになった。また、このユニットの兄弟ユニットFR085CU02が、付録ユニットより一足先に、横浜ベイサイドネットから20周年記念ユニットとして販売された。CU02とCU03の違いは下記の通り。 12/18発売、9,900円(税込)
スペック:4Ω, 10W, SPL=86dB, Fs=114, Qts=0.87(Qms=13.1), Vas=0.61
フェライト磁石を用いた磁気回路
スペック: 4Ω, 15W, SPL=84dB, Fs=89Hz, Qts=0.47(Qms=12.6), Vas=0.6L
FR070WA05とほぼ同スペック
ネオジム磁石を使用。デュアル仕様で、防磁タイプ
Qtsが小さいのでMOOK版よりも小さな箱で鳴らすことができる
0.8L, 80Hz(Win ISDでフラットな感じ)
https://gyazo.com/37389bb1d68a5407069d079904100426
上がCU02、下がCU03。見た目の違いとして、センターキャップの大きさがCU02の方が大きい、上の写真では分かりにくいが。
T/Sパラメータ比較
table: FR085CU02/03シリーズ比較
品名 有効半径 インピーダンス 出力レベル F0(Hz) Qts Vas Sd (cm2) mms(g) Xmax(mm)
FR085CU02 2.65 4 84 89.00 0.470 0.6 22 3.600 2.7
FR085CU03 2.59 4 86 114.00 0.870 0.61 21 2.000
共通スペック
開口径 62.5mm ネジ穴ピッチ 74mm。端子は、+端子が187, -端子が110の平形端子。
実は、Peerless PLS-P830985 と互換仕様。端子の取り付け位置もほぼ同じなので、バッフルの取り付け穴の端子用の切り欠きなどもそのまま使える
PLS-P830985のT/Sパラメータは、CU03とCU02の中間的な値なので、聴き比べが楽しそう
鬼目ナットはM3まで。M4が使えないわけではなく、BSNの西川さんによれば、むしろM4でしっかり留めることを意図した設計なのだそうだ。が、MDFのように柔かい板を前面バッフルに使った場合には、M4用の鬼目ナットを打込むとバッフルのユニット開口側面が崩れる恐れがあるので、M3推奨。
エンクロージャ
バスレフ型が適合。
「コーンの機密性が高いので、」(略)「補強を入れて堅牢に箱鳴りを抑えた箱が好ましい」(YSクラフト佐藤勇治氏)
検討事項、所感
中音はなかなか良い。
低域を伸ばすことができる。量感の調整も容易。質感を整えるのにひと工夫いるかも。
CU02は、小さな箱ですっきりした音を目指すのが良い印象。WinISDを信じれば、1L箱で共鳴周波数80Hzくらいのバスレフが良く、実際、 VP20x9.6cm(105Hz)くらいだと低音過多。なんだけど、80Hzのダクトを納めるのは大変そう(VP20の塩ビ管で18cm余り。
CU03はWavecor社設計のOntomo Shop販売のものが良い。共立電子や吉本キャビネット(Bearhorn)のキット製品は低音の量感重視なので、設置環境や聴き手の好み次第では、吸音材を多めに詰めて低音を抑えた方が良い(私の場合は、吉本キャビネットのキットを組んで吸音材を多めに追加したら、低音の質感が抜群に良くなった印象あり)。
ONTOMO MOOKのスピーカー自作キットを買い込み、積み残し多数ですが、ぼちぼち楽しんでます
コロナ禍で在宅勤務を含めて家にこもる時間が増えたので、私もPCオーディオを楽しむようになった。ひと頃のオーディオ自作ブームは去ったと言われているが、コロナ特需で、オーディオを楽しむ親子が増えたと思うので、未来に向けてすそ野が広がったのではないかと思う。
私もコロナ禍でオーディオへの関心が高まったので、ONTOMO Shop スピーカー自作キットのセール販売なども活用して、いくつか工作キットを購入した。なかなか作成に至っていないが、そのままの設計でつくるだけでは面白くないので、シミュレーションなどをして設計をチェックしながら、手を加えてつくる方針。同じキットを何セットか買い込んで、カスタマイズによる違いを評価する予定である。 OM-OF101
付録ダブルバスレフ・キットの組立品を中古入手
付録ダブルバスレフ・キットもOntomo Shopで入手したので、バスレフにするか、ダブルバスレフの設定を変えて組んで、上記の標準ビルドと比べる予定。
DB-30 Ubukata Model: 上記結果を踏まえて作る予定。楽しみだ。
中古品の感想: すごい実力、ユニットも箱も付録とは思えない良い音
締まった低音、軽やかな中音(少し物足りない感じがあるものの、音色が良い)。高音をスーパーツィータで補うとOK
板厚が極薄なので、箱鳴りする。ペンキ塗装によりかなり改善されているとは思うが。
ユニット入手: 大人気で、ヤフオク等でユニットが高額取引されている。が、時々、安く手に入る時がある。組立箱とセットのものが狙い目。ONTOMO Shopで正規品が販売されている時もある。
OM-MF519 + ダンプドバスレフ 2セット
目的 各1セットを割り振る
1. 子供たちの工作(組立、塗装)の練習
塗装以外は完了。エンクロージャのサイズが小さすぎるのは重々承知だが、実家でTV音声やYoutubeの音を聴くには十分かも。
下塗り完了。色塗りは子供のデザインで。うちは双子なので、左右別デザインだ。年の近いご兄弟がいるご家庭で、スピーカーキットの製作は相性良いと思う。
2. 他のユニット(というか、専用のOM-MF5)を載せる
ようやくユニットを入手したので、組立予定(2025年?)
目的: 割と評判良いので、なんとなく聴いてみたくなっただけで、目的は特にない
箱候補
ラビリンス・バスレフ
1. LBR-3 MeiloサイズのMDF板版: ヤフオクで、junichitanzawaさんのものを購入。あらかじめターミナル用の穴が開いているので、初めての私には適切な箱だった。ただし、OM-MF4-Micaには適合しない印象。
サイズ(HWD)、容積: 109 x 205 x 177 (mm) 12mm厚のMDFを使用しており、容積は2Lあるかどうか
ネジ穴開け(バッフル、背面端子用)、鬼目ナット設置(バッフル側): 電動ドリルと鬼目ナット埋め込みの練習になった。
吸音材: シンサレート 0.5 cm厚程度 天板と背面のみ(暫定):少なすぎた印象で、中音が盛大にダクトから出てくる
https://gyazo.com/861cbc92debb0378264f79330a33aa4e
OM-MF4-Micaを載せてエージング中(17時間目)→Micaを6LのMDF箱に移して、Scan-Speak 5cmに載せ換える予定
手持ちユニットのエージング合戦が一段落したら、研磨&塗装したいところ。油性のサンディング・シーラーで済ます可能性もあり(クリアなので、見た目が変わないけど、手軽なので)。
2. ムック本版: 実験箱として、少しカスタマイズしたものをつくる予定
サイズ、容積: (記入前)
3. ミクセルのバーチ合板箱
作成未着手
6cm用QWT
ユニットなしで入手。
ユニット手配: SPK Audio FR02C を載せてみた。この箱は内部の音道により頑丈な作りとなっていて、箱鳴りしなくて良い。
Scan-Speak 5cm フルレンジ + ダブルバスレフ 1セット
Scan-Speakの音を聴いてみたかったので、買ってみた。ラビリンス・バスレフにサブバッフルつけて載せたら、かなり良かった。ダブルバスレフのキットは、ユニットの性能をほとんど活かせていない印象で、OM-MF4用のラビリンス・バスレフの方が良いと思えるくらい。
高音質できれいに作るには
接着: 接着強度は、素人でも分かる程度の音の変化があるそうなので、重要
接着剤が固まる前は板がすべるので、位置あわせと圧着が、仕上がりを決める
接着剤を塗る前に、位置合わせや、固定方法の段取りをするのが重要
私は工作経験がほとんどないので、何度も失敗して、削るなどの追加加工なしでは完成できなかったですが、何度か作ると、必要な道具が分かってきて、確実に、工作精度が向上します。
なので、木工経験の少ない人は、安いキットを複数種類買って練習することが重要です。
キットにもいろいろバリエーションがあり、はまるポイントが違う、というか組立思想が異なっていたりします。そうしたことが、工作経験のない私には目新しくて、面白かったりします。その点で、ontomoのキットはいろんな人がデザインしているので、バリエーションがあって飽きが来ないです(飽きるようになったら、卒業かと)。
圧着用クランプ
役割: 接着剤は、圧着することで接着面が強固になる(これは常識みたいです)。また接着剤が接着面に多く残ると接着剤の音がするようになるとか、ならないとか(これは未検証)。
コツ
圧着時にずれるので、接着剤を薄く塗ります。圧着する前に指ですり込みながら、薄く伸ばし、はみ出た接着剤をふき取り、圧着します。
とはいえ、接着剤はすべるので、圧着時に多少ずれる場合あり。一通りすべて軽くクランプしてから、圧力を加えていきます。でも、きっとずれるので、修正して、クランプし直します。
接着後、端金で圧着する前に、仮釘やピンネイラで固定した方が良いかも。それか、接着直後は手で押さえて接着剤を接着面から十分に押し出して10分ほど経過して接着が強くなった頃にクランプする。(もし、この段階で圧着時にズレると、ずらして正しい位置に戻すのは無理で、接着をはがしてやり直すしか選択肢がなくなるので、ピンで固定した方が良いかな、と。)
はたがね
長い距離を固定できて、何本も縦横に固定するのに特化した細身のクランプ。
力をかけるので、接合面がずれる場合もあり、慣れが必要。
当て木しないとクランプした箇所が凹む。当て木も適度に固いのが良い。私はアチガスの板を切って使っているが、柔らかすぎたかも。
コーナークランプ
板を垂直に立てるのに必要
L型の金属バーと 5〜10cmの万力2個の組み合わせ
二枚の板を分けてクランプできる点、つまり、先に一方の板に(万力で)クランプしておいて、一方をフリーのままにして接着後に位置を微調整してからクランプできる点で使いやすい。2枚の板を同時にクランプするタイプのコーナークランプは、接着後の位置微調整がうまくいかず、かつ、クランプ時に微妙に位置がずれたりして、直角の精度も十分に出ないです。L型のは一方がクランプされて動かないのが良いです。
金属なので、接着
事前に位置合わせして、一方の板に万力で内側に固定してから、他方の板を接着後に万力を固定
事前の位置合わせにすごい時間かかるが、ばっちり垂直に接着できる。
外側に置くのは、はみだした接着剤をふき取れないし、はたがねをつける際に邪魔になるので、お勧めしない。
L型工具の例
直角がちゃんと出てます。
ネジや釘など
接着前の仮止めに仮釘?を使う方は多いが、音にはよくないようで、抜く方が少なくないようだ。
個人的には、接着剤とネジ止めは併用してもいいと思う。特に、吸音材の調整などする目的で使わざるを得ないことがある。
塗装: 見た目が激変するので重要
MDFは下塗り重要
無垢材は、オイルを薄く塗るで良いかも